乾遥香生誕祭2017即詠マラソン

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十月は小の月だと思ってた一年前から一日増えた

出会い

スカートが水色だったいつか見たきみと見たあのスカイツリー色
褒めてくれた ような気がするあのときとおんなじように認めてくれる?
きれいだ、と思った ぼくは酔っていて電車で隣のきみのビシューが

変なやつ

「会わない?」だったか「会いたい」だったか短歌を好きなことしか知らずに
晴れた日のソラマチひどくぎこちない仕草でパフェをつついてたこと
ほんとうは甘いものってすきじゃないけど嬉しそうにするから つい
嘘ついたきみを許したTwitterで居場所をつぶやくことも控えた

ずっと隠れてた

自分から言えばいいのにひたすらに背中で感じるきみのよろこび
面倒なひとだなぼくは面倒なひとがとにかく好きできみもな
最初からはるかって呼んでいたのかなまるで前から知ってたみたい
お父さんとおんなじ名字だからやだ なんでもないことみたいにきみは

わざわざよく朝から私に会いにくるもんだ

よくもまあ朝からフラペチーノ飲めるね 褒めてないのににこにこしてる
雨なのにふたつの傘が近すぎるぼくらスカート等しく濡れて
永遠に会えない未来が来たときはあの日の星座を貼って送るよ

あまい

苦手だと言いつつきみの作品のつやつやのチョコは口に入れたい
スケジュール帳にもらったイラストを貼ってしばらく見せびらかす日々
無花果ってFigって言うのか2月ではHeartのチョコがかなしく揺れる
12個のひとくちチョコを12日かけて心の組織に変える
来年もきみのお菓子が食べられますようにホワイトデーのハンカチ

さみしい

遠くなった気がする 背中にいたきみがなんだか随分遠い気がする
一生懸命になれないことはつらくって好きでも得意でもない短歌だ

ばとったりばとらなかったり

勝ち負けじゃないいまこの見開きにぼくらの名前が並んだ奇跡
果てしなく有限である空白にただきみだけの言葉を詰めて

帰る前の晩

大丈夫って思えたあきれるくらいにきみが短歌を教えてくれる
途中から見ててもわからない映画だけどいっしょにいるのが大事
その場所にいないとだめなこともあって酔ったきみは倍ほどうるさい
寄り添って眠ったぼくら飛行機が飛ばなきゃつらくならないのにね

泊まって行けば

ひとよりもつよい気持ちが多すぎるだけぼくたちは愛されたいんだ
ぼくの街にぼくしか知らないきみがいて深夜の元町ふたりで歩く
母親の前でしょーこと呼ばれ笑う姉妹みたいに鍋をつついた
きみといると雨が多くてたぶんきみは言ってもきょとんとするだけだけど

二度目の合宿

後ろには隠れなくなったきみがいて眠れるようになったぼくがいて
お互いの時計を絡ませオブジェにする同じ時間を指さしている
ほんとうに静かに泣くね黒髪のかぼちゃのゴムがひかってきれい
寒かった夜だ裸足でカーペット越しに階下のざわめきを聞く
笑っててくれればそれだけでいいきみが自分で掴んだ世界だ

会おうって言える

話したいことは多いし文句も言いたいでも楽しそうで嬉しい
またねって言えるよぼくの東京がだんだん近く変わってくこと
また雨だこの傘きみといるときに買ったし買った瞬間雨が止んだし
恋バナはいつもならしないティラミスの地層ほろほろ崩す
きみのいない神戸で楽しく暮らせてて拗ねたことばに笑ってしまう
神戸って遠かったんだとその狭い世界に神戸が増える瞬間

遠い

ごめんねって寂しかったねって言える距離ならほんとによかったけれど
手を繋いだままの恵比寿に居たかったきみのあまりにうつくしい指
東京は住みたくないしたまにならいいやいつでも会えるよまたね

ハロウィン

ガチャならば果てしなく高いレアリティ秋の季節にぼくのいること
なんでだかきみの世界にいたいって言うひとみんなめんどくさいな
面倒なとこがうつったみたいだなこんなにきみに認めてほしい

三十一日に生まれた意味があるきみは短歌をするためにいま

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