千原こはぎ歌集『ちるとしふと』感想

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私たちが千原こはぎの本に,千原こはぎに惹かれるのはなぜだろう,と本を開く.

見事な巻頭歌だ.

玄関のドアをひらけば吹いてくる風のことです春というのは

歌集の表紙という扉を開けて初めに吹き込んでくる風が,この一首である.心のドアを開け放つ.爽やかに吹き込む新しい予感に胸をときめかせる一瞬を「春」というあたたかくやさしいことばで迎え入れる.ドアをひらいて出て行った先でスキップしたいような,逆にしゃんと背筋を伸ばして歩きたいような,なんとも言えない期待感で満ちている.

『ちるとしふと』はほとんど恋歌で構成された歌集であるから,それを踏まえると,出会いの季節,恋のはじまりにときめく主体が浮かび上がってくるようにも思える.

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千原こはぎ『ちるとしふと』刊行記念トークショー@ジュンク堂滋賀草津店 レポ 後編

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このレポートは2018年5月13日に滋賀県草津市のジュンク堂滋賀草津店にて行われたトークショーの一部始終を記したものだ.本当は2つ,いや書き始めたときは1つの記事で終わらせるつもりだったのだが,どうしてか前中後編の3部作になってしまった.この記事を『ちるとしふと』,そして現代短歌をより一層楽しむ足がかりにしていただけると幸いである.

前編はこちら.「さくらこからこはぎへ7つの質問」について語られた.
中編はこちら.「こはぎとさくらこが好きな恋の歌」について.

後編は,嶋田さくらこさんの歌集『やさしいぴあの』,そしてメインの千原こはぎさんの歌集『ちるとしふと』に収められた歌について語られていく.

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千原こはぎ『ちるとしふと』刊行記念トークショー@ジュンク堂滋賀草津店 レポ 中編

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このイベントを最初ひとつの記事で書ききろうと思っていた私がバカだった.前編以外の残りを全部この記事に突っ込むつもりが予定外に収まらなかった.結構これでも割愛しているつもりなのだが,面白くて内容が濃くて,あとできるだけ引用,リンクもしていたらこんなことに.

あの日は雨で来たくても来られなかったかたがTLにたくさんいたので,少しでも会場の雰囲気をおすそ分けできたらと思う.

前編は「さくらこからこはぎへ7つの質問」と題して,こはぎさんの短歌の秘密に迫った.前編はこちらから.
中編は,ふたりが大好きな「恋歌」について存分に語られた.

(追記)後編はこちらから.お待たせしました.

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千原こはぎ『ちるとしふと』刊行記念トークショー@ジュンク堂滋賀草津店 レポ 前編

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こはぎさん御本人によるレポートはこちら

5月13日日曜日,雨も大雨,昼間には降水量は10mmを超えて,それでも神戸から2時間かけて滋賀県草津駅までたどり着いた.書肆侃侃房の新鋭短歌シリーズ第4期,千原こはぎさんの歌集『ちるとしふと』刊行記念トークショーのためだ.

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なべとびすこ歌集『ふるさとと呼ぶには騒がしすぎる』感想

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ある日家のポストを覗くと一通のスマートレターが届いていた.年金機構でもAmazonでもない私宛の手紙は珍しい.

差出人はなべとびすこさん.この春,文学フリマ東京にて発行した初めての歌集『ふるさとと呼ぶには騒がしすぎる』を送ってくれたのであった.

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